Rocco Design Architectsが中国・深圳の宝安区で手がけている「Baoan Cultural Complex」は、図書館、青少年センター、劇場の3つの建物からなる複合文化施設である。図書館と青少年センターはすでに完成しており、劇場の完成も間近だ。

市街から深圳の湾へと伸びる一直線上に3棟が並ぶ配置で、付近にある複数の公園とともに、全体で統一した景観を織りなすという。

それぞれはシンプルな横長の構造で、ファサードは波打つような形状をもつ。図書館は側面だけではなく、屋上も上下に波打つユニークなデザインだ。青少年センターは市街に面し、建物の中央には中庭を設けた。劇場は海からの風に漂うカーテンのようにひらめいた外観となる。

ファサードは、中国南部に伝わる木材や象牙の彫刻技術からヒントを得た構造で、細やかに開口部を作ることで、屋内に差し込む日差しを効果的に抑えるだけでなく、外観としても豊か表情をもたらしている。また、外装の透明度は建物の各部分で機能に応じて異なるそうで、その繊細さは東洋の伝統から受け継いだものだそうだ。