NEWS | アート
2019.11.29 11:55
ハンガリーの首都ブダペストにあるヴェレシュマルティ広場(Vörösmarty tér)では、地元のHello Wood Studioが彫像の冬支度となる、フレッシュで現代的な装いのインスタレーション「Art Shield」を披露している。
これは、カッラーラ大理石の彫像を霜や雪解けによる劣化から保護するもので、高さ10mの大きなスチール製のパビリオンで全体を覆っている。シーズンが終われば解体され、次回にまた利用されるという。
以前は冬の間、彫像は見た目にも機能的にも不十分なプラスチック製のカバーがかけられていたそうだ。今回の同スタジオのデザインで、彫像は冬季にも楽しめるようになった。そしてパビリオンは、ヴェレシュマルティ広場とキリストの降誕祭を飾る新しい宝石となり、ヨーロッパ各地の公共スペースにとっても好例となるだろう。
この広場の彫像は100年以上にわたり、困難の多い激動の時代でも、ひとつの国に人々がともに暮らすことができるという価値観を育んできた。彫像を覆う教会のようなこのパビリオンは、こうした気高い理想を象徴しているのだ。