SANAAが設計を担当した
伊ボッコーニ大学の新キャンパスが完成

イタリア・ミラノにある「ボッコーニ大学(Università Bocconi)」では、妹島和世と西沢立衛が率いるSANAAが設計した新キャンパスが完成し、一般公開が行われた。

この新キャンパスは市民に開かれた公園としても機能するもので、透明度の高い建築や滑らかな曲線といった特徴にくわえ、サステナビリティや教育の面でも最先端のテクノロジーを駆使した設備が整っているという。オリンピックサイズのプールを備えたスポーツセンターも併設、市民も利用可能になるそうだ。

完成したSDAボッコーニの本部となる3つの建物のほかにも、同じエリア内にある300名の学生を収容できる宿泊施設はすでに2018年9月から稼働している。SANAAは、都市構造の不可欠な要素となる建築というコンセプトのもと、一体感があって有機的で、地域に対して見た目にも物理的にもオープンであるものを目指したという。

その開放感は、日本の建築、とくにSANAAの建築に特徴的な内部空間と外部空間の大きな連続性から生まれた。周囲の壁は透明とし、しなやかな曲線が外に向かって流れる内部空間の感覚を作り出している。

また、明るさと透明度を高めるために、建物はリング状に構成。外周は都市と公園に接し、内側は中庭が自然で緑豊かな環境を生み出す。各コアは小さめのサイズとすることで、屋内に光が差し込み、中庭に面した広い開口部となり、自然な換気を行い、人工的な照明・換気システムの利用を抑えている。End