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2019.11.28 16:17
マイクロソフトのビル・ゲイツが支援しているクリーンエネルギーのスタートアップ「Heliogen」。太陽光をエネルギーに変えることを主な事業としており、このほど摂氏1000℃を超える高温の太陽エネルギーを発生させることに成功した。
米カリフォルニア州ランカスターにある同社施設で行われたこのプロジェクトは、さまざまな産業プロセスでの化石燃料の使用や温室効果ガス排出の劇的な削減を可能にするものとなるだろう。
従来の商業用集光型太陽熱発電では、最高温度は565℃となっていた。発電としては申し分ないが、多くの産業プロセスではこれを上回る高温が必要で、それには従来の化石燃料の方が適していたという。この課題をクリアしたのが今回のHeliogenの取り組みだ。
Heliogenの技術ロードマップでは、最高温度1,500℃を目指している。これが実現すれば、CO2の分解や水の分解が可能になり、水素や合成ガスなどの100%化石燃料を使わない燃料が生成できるとしている。
同社では、高度なコンピューターを駆使して、多数設置されたミラーの向きを厳密に調節。太陽光を集中させることでこのような高温が実現できたそうだ。今後は同社が提案する集光システム「HelioMax™」、超高温の熱「HelioHeat™」、超高温の熱から生成した燃料「HelioFuel™」を商業レベルで展開することが目標だ。