NEWS | 建築
2019.11.20 16:28
イギリスのデザイナー トーマス・ヘザウィックが率いるHeatherwick Studioの建築プロジェクト「1000 Trees」は、中国・上海で2011年にスタートし、いよいよ完成間近となったようだ。
2010年開催の上海万博でイギリス館をデザインし、これを受けて同地のアートスポット「M50」で新しい複合施設を手がけることになった同スタジオ。立地は、一方には公園があり、それ以外の三方には高層ビル群が立ち並んでいて、現場には歴史ある建物もあるという。
設計は、公園やアートエリアともつながり、また、大型で密集した建築でもありながらもヒューマンスケールを意識したものにしたい、という希望を満たすものになった。
設計当初でわかったことは、この規模の建築には800本以上の構造柱が必要だということ。通常は構造としてうもれてしまうこの柱を、むしろ建築の特徴として活用し、巨大さ分節することを目指した。そして、近くにある公園と見た目にも連続して広がっていくように植物を植えることにした。
全体としては、柱の上部に植樹して、数千の木々が茂ったふたつの山並みをデザイン。敷地全体をグリッド状にし、建物から柱が生えて山となり、アートエリアや公園に向かってなだらかに下っている。
こうした山のように波打つ姿や歴史的な建物を組み込むなど、コントラストや驚きに満ちた建築となるだろう。