「地方創生」「関係人口の創出」「Uターン」「Iターン」すでに聞き慣れたワードですが、ことクリエイティブやデザインの仕事は、どうしても東京を中心とした都心に集中しがち。仕事も少ないのでは、と考える人は多いはず。でもいま地方にこそクリエイティブの力が必要とされています。そこでAXISが「クリエイティブな移住」を促進するプロジェクトをスタートします。
長崎空港からバスで約2時間。とても便利とはいえない場所にある雲仙市小浜町(おばまちょう)。風光明媚な海に面した温泉地ですが、驚くなかれ、その小さな町に、デザイナーや新しいことにチャレンジするクリエイティブな人たちが徐々に集まりつつあるそうです。
▲城谷耕生さんがつくった雲仙市小浜町刈水地区にあるデザインショップ・カフェ「刈水庵」。地域のデザイン拠点にもなっています。Webマガジン「AXIS」の「刈水庵」の記事はこちら。
聞くとこのような地でも「仕事は結構ある」らしい。それなら時間に追われてあくせくする都心を脱出して海と山と温泉があるこんな豊かな場所で生活するのも悪くない。そこでは、生活の半分をデザイン(クリエイティブ)の仕事に、残りの時間は、いままでやりたかったことを実現する。そんな「半D半X」な生活も夢ではないかもしれません。
自由な暮らしに興味はあれど、「ほんとうに仕事はあるの?生活できるの?」といった疑問や不安は簡単に拭えるものではありません。
▲雲仙市を拠点に活動するデザイナー・古庄悠泰さんの事務所「景色デザイン室」の外観。休日には、1Fで町に開かれたカフェ「景色喫茶室」を営む。景色喫茶室では、恒例になっている立ち呑み会も開催されているそう。漁師、農家、エネルギー研究者、デザイナー、市職員、料理人などIターン、Uターン、地元民、世代も職業も多様な人々が集まる場。
今回、このような移住におけるさまざまな疑問に答えるべく、実際に雲仙市小浜町に暮らし、自らクリエイター・デザイナーとして活動されている、伊藤香澄(Tvättlina)、城谷耕生(studio shirotani)、古庄悠泰(景色デザイン室)の3名をお招きし、現地のリアルなお話を伺いつつ、「クリエイティブな移住」について考えるイベントを東京・六本木のAXISギャラリーにて開催します。
伊藤香澄
福岡県生まれ、2017年小浜町へ移住。それ以前は、暮らしに必要なものをできるだけ自分の手でつくりたいと、デンマークとスウェーデンに留学。人々の暮らしをささやかに豊かにしてきたであろう、つくり手の温かみや暮らしの楽しさを感じられるものを好み、そう思えるものに囲まれて暮らしたいと考える。現在は、リモートワークで東京の広告会社に勤めつつ、「Tvättlina」(スウェーデン語で洗濯ひもの意)を主宰し、機織りを中心としたものづくりや季節の手仕事などを楽しみながら、海のそばで暮らしている。
▲上段:伊藤香澄(Tvättlina)さんが手がけたブローチとマフラー。左下:北欧で買い付けてきた食器類 右下:小浜町のアトリエ
古庄悠泰
1989年福岡県生まれ。2013年九州大学芸術工学部工業設計学科を卒業後、雲仙市小浜町のデザイン事務所・studio shirotani に勤務しつつ、同事務所運営のデザインショップ・カフェ「刈水庵(かりみずあん)」の店長を兼任。この地域の景色、文化、温泉、人の温もりに惹かれ、2016年夏に独立、「景色デザイン室」を開業する。「やがてその町の景色になるようなデザイン」を目指してグラフィックデザインを中心に日々活動中。休日には事務所1Fでカフェを開き、地域のコミュニティづくりにも貢献している。
▲左:古庄悠泰さん(景色デザイン室)デザインによる小浜町にあるアイスソルベとお菓子の店「R CINQ FAMILLE」のロゴとサイン。右上:小浜温泉旅館「伊勢屋」のグラフィックデザイン 右下:雲仙市にある養蜂場「熊崎養蜂」のはちみつパッケージデザイン
城谷耕生
1968 年長崎県雲仙市小浜町生まれ。1991 年イタリアに渡りミラノの建築・デザイン事務所に勤務。2002 年帰国し、雲仙市に「studio shirotani」を開設。イタリアGRANDESIGN 最優秀賞、グッドデザイン賞など受賞。作品は東京国立近代美術館、長崎県美術館などに収蔵されている。2012年には雲仙市小浜温泉の過疎化が進む刈水地区の調査・研究を行い、2013年この地に「刈水庵」をオープンする。以後、「刈水エコビレッジ構想」を掲げ、デザインを活用した地域デザインを続けている。
▲上段:城谷耕生さんデザインによるKINTOの「CAST」シリーズ(左)と「LEAVES TO TEA」シリーズ(右) 左下:小浜町の旅館「ゆのか」内装 右下:刈水庵の出島支店となる「karimizu dejima」
参加者はデザイナーに限らず、新しいことにチャレンジしたい方であれば大歓迎。トーク後の交流会では、雲仙市自慢の美味しいフードとともにざっくばらんに情報交換も行える機会もご用意しております。
また、来年1月18日(土)、19日(日)には、実際に現地に訪れて、本人の目で小浜町の暮らしを体感できるツアーの開催も予定しています。詳細は、追ってお知らせ致します。
雲仙⇄東京 雲仙市小浜で実現したい「半D半X」のすすめ
- 日時
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2019年12月17日(火)19:00~21:30(開場18:40)トーク後、交流会あり
- 主催
- AXIS、雲仙市
- 会場
- AXISギャラリー (東京都港区六本木5-17-1-4F )
- 定員
- 100名
*参加資格は自由です。デザイナーである必要はありません。
- ゲストスピーカー
- 伊藤香澄(Tvättlina)
城谷耕生(studio shirotani)
古庄悠泰(景色デザイン室)
- 参加費
- 無料
- プログラム
- 18:40 開場
19:00 – 20:30 トーク
20:30 – 21:30 交流会
*内容は変更になる場合があります
- 申し込み
- 事前申し込み制
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- 問い合わせ
- forum@axisinc.co.jp