ジョージアの現状を訴えるインスタレーション
レーザーワイヤーフェンスを使った「Voicing Borders」

ヨーロッパの一番東側 ジョージアには、カミソリの刃を仕込んだ鉄条網「レーザーワイヤーフェンス」が国土全体に張り巡らされているそうだ。

これは2008年のロシアとの戦闘によって分離されてしまった領土を示しているそうで、恣意的に引かれたこの国境線は、たえず人権や国際法の違反を引き起こしてきたという。ジョージアで増加するこうした動きによって、過去10年間で命が奪われ、コミュニティは破壊されてきた。

そこで、この占領ラインの向こう側の街で生まれ、1990年代から圧倒的な勢力が国内に拡大してゆくのを目の当たりにしてきたデザイナー Irakli Sabekiaは、レーザーワイヤーフェンスの向こう側にある現実にスポットを当てたインスタレーション「Voicing Borders」を公開した。ゆゆしき事態の展開を伝え、たえまなく続く権利の侵害に対する同氏のアプローチを示している。

インタラクティブなインスタレーションでは、鑑賞者が投影された映像の前に影を落とすと、破壊された村の場所などがわかる仕組みとなっている。さらに、レーザーワイヤーフェンスそのものを展示し、その前に置かれた無線機のアンテナとして使用。占領を行う兵器に抗議するため、消滅した村の名前とその地理座標を短いモールス信号として発信している。End