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2019.10.29 15:34
ボイヤン・スラット(Boyan Slat)が2013年に立ち上げたオランダの環境団体「The Ocean Cleanup」。当サイトでも紹介したように、これまで主に海洋プラスチックごみの回収を目指してきたが、この目標を補完するべく、今度は河川のごみ除去へと動き出している。
海洋プラスチックごみの原因の約80%は1,000もの非常に汚染度の高い河川にあるそうで、同団体では2025年末までにこの課題に取り組むと発表した。
そこで登場するのが、2015年から開発中の「Interceptor™」と呼ばれる河川用のプラスチックごみ回収船だ。環境に優しく100%太陽電池で稼働し、リチウムイオン電池も搭載することで、昼夜を問わず騒音や排気ガスを出さずに作業ができる。
船体自体は川底に固定されており、川の自然な流れを利用してプラスチックを回収。ごみを誘導するバリアを張るが、川の一部分しか遮らないので、他の船舶の航行や野生動物の移動を妨げることはないそうだ。
また、インターネット上でシステムのパフォーマンスやエネルギー使用量などを監視。ごみがたまれば別の船がやってきて、ごみを陸上へと移送するので、Interceptor™はまた空の状態で回収を継続することが可能。
1日あたり50,000kgから条件が整えば100,000kgのプラスチックごみが回収可能だそうで、インドネシア・ジャカルタとマレーシア・クランでは稼働をスタート。ベトナム・メコンデルタのカントーやドミニカ・サントドミンゴにも設置予定。そのほか、タイ・バンコクやアメリカ・ロサンゼルスでも展開する予定だ。