キース・へリングの大型作品がオークションに
教会施設の吹き抜けに描かれた壁画が出品

アーティスト キース・ヘリング(Keith Haring、1958-1990)の作品のなかでもほとんど知られていないもののひとつに、85フィート(約25m)もある無題の大型作品があるそうだ。

1983~1984年ごろの作とされるこの作品は、ニューヨークのアッパー・マンハッタンにあるカトリック青年会(Catholic Youth Organization)の施設「Grace House」で手がけた壁画で、5階建ての建物のうち、3階分の壁に描かれている。

彼はニューヨークでの活動のさなかに、Benny SotoとDavid Almodovarというカトリック青年会のメンバー2名と出会い、親交を深めたことがきっかけで、Grace Houseの階段の吹き抜け部分の壁画制作にいたったという。

へリングは下準備のスケッチや下塗りなしで、一晩でこれを描き上げたという。15のパートに分けて、「Radiant Baby」、「Barking Dog」「踊る人」など象徴的な13の人物像が一堂に会しているので、まさに「ヘリング辞典」といった感がある。

今回、これらの作品は2019年11月13日(水)、「Bonhams」にてへリングの壁画としては初めてオークションに登場することになった。落札価格は300万〜500万ドル(約3億2600万円~5億4300万円)と予想。収益は同教会のアクセシビリティの改善など、教区で行われる主要なプロジェクトに充てられることになっている。End