ガソリンに代わる持続可能な液体燃料ができる!?
ケンブリッジ大学が合成ガスを生む「artificial leaf」を開発

▲Credit: Virgil Andrei

「合成ガス」と呼ばれる、一酸化炭素と水素の混合ガスがある。これは現在、燃料や医薬品、プラスチック、肥料など、さまざまな商品を生産する際に原料として使用されているそうだ。

このような合成ガスを持続可能で簡単な方法で作り出すことで、ガソリンに代わる持続可能な液体燃料の開発ができるのではないか、とケンブリッジ大学の研究チームが実験を行っている。

彼らが開発した装置「artificial leaf(人工葉)」は光合成にヒントを得たもので、太陽光を取り入れる植物の分子と類似した2種類の光吸収材に、天然コバルトを使用した触媒を組み合わせている。

この装置を水に浸すと、光吸収材の1つが触媒を使って酸素を生成。もう1つの光吸収材は二酸化炭素と水を一酸化炭素と水素に変える化学反応を行い、合成ガスが生まれる仕組みだ。また、このプロセスは、雨や曇りの日など日光が少なくても、光吸収材は反応してくれるので、時間帯や季節に関係なく、どこでも利用可能。

なおかつ、合成ガスを生産する現在の工業プロセスとはちがって、「artificial leaf」では大気中に二酸化炭素を放出することもないという。

今後の目標は、はじめに合成ガスを作り、これを液体燃料に変えるプロセスではなく、二酸化炭素と水からワンステップで液体燃料を作ることだそうで、燃料として簡単に利用できるエタノールなどの製品を持続可能な方法で製造することを目指している。End