MASS Design Groupによる銃の暴力を訴える展示
「The Gun Violence Memorial Project」がシカゴ建築ビエンナーレで公開

アメリカの銃による犠牲は、同国のあらゆるコミュニティに関わる問題だ。事件の規模が大きいせいか、犠牲者のことは数値や実現しない理想の改革へとすり替わってしまうこともしばしばだろう。

開催中のシカゴ建築ビエンナーレでは、非営利の建築スタジオ「MASS Design Group」が、「The Gun Violence Memorial Project」という展示を行っている。構築された空間のなかで、一人ひとりの記憶を守り、銃による暴力の大きさを伝えるプロジェクトだ。

コンセプチュアルアーティストのHank Willis Thomasや、銃犯罪の根絶を訴える「Purpose Over Pain」および「Everytown for Gun Safety」と連携して、喪失や社会への影響の大きさを知ることから全国的な癒しのプロセスを育もうとしている。

700個のガラス製レンガを使って4つの家を建て、銃の犠牲となって愛する人を失った家族が遺品を提供。これらはこのレンガのなかに収め、犠牲者の名前や生没年を記した。また、それぞれの家のなかでは、MASSとアメリカ人の人生のストーリーを記録する団体「StoryCorps(お話し聞こう隊)」が行ったインタビューを聞くことができる。

家に隣接する壁には、銃の暴力による深刻な影響についてのドキュメンタリー映画「Comes The Light」のビデオクリップを上映。この展示は2020年1月5日(日)まで公開され、2020年にワシントンD.C.の展覧会に移設、最終的には銃の犠牲者の命と物語を称える国家的な記念碑として常設されるそうだ。End