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2019.10.04 15:12
日本郵船は、安全運航や労働負荷削減、効率性向上のための「有人自律運航船」の実現に向けて、自動運航技術の実証実験にこのほど成功したと発表した。
この「有人自律運航船」とは、高度な先進技術、および陸上オフィスからの遠隔支援を通じて船上の乗組員の操船業務をサポートし、安全性や効率性のより高い運航が可能となる船舶のこと。
今回の実証実験では、総トン数70,826トンの大型自動車専用船「IRIS LEADER(イーリス・リーダー)」に最適航行プログラムを搭載。湾内を除く日本沿岸海域の試験区間において、通常の乗組員による当直体制を維持したまま、昼夜を問わず断続的に最適航行プログラムを用いて航行した。
実験では、同プログラムが航海計器からのデータをもとに周囲の状況を把握、衝突リスクを計算して最適な避航針路を決定し、自動で操船するまでの一連の動作を実海域で実施して、その様子を監視・評価したそうだ。
その結果、陸上のシミュレーターでの実験だけでは得られない、さまざまなデータを取得することができ、同プログラムが安全性・効率性の高い運航に寄与すること、また実用化の可能性を確認したという。
今後は、データ分析によりプログラムが導き出す最適な進路と、人間が下す判断との差異を調整するなど、さらに高度な操船支援技術へと改良を重ねたいとしている。