デザイン書「SPECULATIONS 人間中心主義のデザインをこえて」
デザインリサーチの実践例が描き出す「デザイン」の現在形と未来

社会、テクノロジー、デザインを取り巻く利害関係など、複雑化し混迷を極める世界。ビー・エヌ・エヌ新社より2019年7月に刊行されたデザイン書「SPECULATIONS 人間中心主義のデザインをこえて」では、そんな世界にあっても倫理を手放すことなく実践し、デザインと社会、そして実践と理論の接地面に光を照射してくれる、合計99の「デザインリサーチ」を紹介している。

デザインリサーチとは、未来の(あるいはオルタナティブな現在の)可能性を思索あるいは試作すること。ますます多元化するデザインリサーチの様相を可能な限り明らかにすることを目的として、多様な実践群を召喚しつつ、今着目すべき巨大な問題系を指し示す内容だ。

多様な編著者による導入テキスト、さらに、民主主義、移動社会、コンピュテーショナルデザイン、サステナビリティ、バイオテクノロジーをめぐる論考と、キーパーソンたる海外のデザインシンカーへのインタビューも収録。

幾多の思索(スペキュレーション)とテキストから、過去、現在、そしてありうべき未来のデザインへの多角的な視座を獲得できる、新しいデザイン書となっている。

なお、冒頭の川崎和也による論考「人間中心主義のデザインをこえて:多次元(マルチバース)化するデザインリサーチ」は、こちらにて試し読みも可能だ。End