NEWS | サイエンス / 見本市・展示会
2019.10.01 15:42
ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン のBio-Integrated Design Lab(Bartlett School of Architecture)は、「Indus」という新しいタイル状のモジュラーシステムを開発した。先ごろ開催されたロンドン・デザイン・フェスティバルでも公開されたという。
研究チームは、微生物などを用いて有害物質で汚染された自然環境を元の状態に戻す「バイオレメディエーション」を活用。タイル状の「Indus」を並べることで、バイオリアクター機能をもつ壁を構築したそうだ。
具体的には、廃水から重金属のような有害物質を濾過するために、タイルには藻類を含んだヒドロゲルが施されている。
葉の構造にヒントを得たそうで、葉脈のような溝に海藻ベースのヒドロゲルでできた藻類を含ませ、そこを廃水が流れるようになっている。そして、カドミウムなどの汚染物質は分離し、ヒドロゲルを取り除けば、重金属を安全に除去することができる仕組みだ。
同ラボが公開したレンダリングでは、発展途上国の小規模な染物工場の中庭にこの「Indus」を多数並べている様子が描かれている。現地でタイルを生産して設置、その上にヒドロゲルを施して、工場ですぐに汚染物質が除去できるなど、途上国の産業や環境を考えた濾過システムを構築するプロジェクトになっている。