SOMがCO2削減を提案するパビリオン
「Stereoform Slab」をシカゴ建築ビエンナーレ2019で公開

▲Photo © Dave Burk | SOM

アメリカの建築設計事務所 SOMは、開催中のシカゴ建築ビエンナーレ2019の一環で、同市のウェストループ地区にコンクリート製のパビリオン「Stereoform Slab」を公開した。

ロボットによる最先端の製造技術を駆使して構築された未来の建築システムの原寸大のプロトタイプで、コンクリート建築におけるCO2排出量を削減する設計方法を提案するものだ。

▲Photo © Dave Burk | SOM

高層建築に見られる1階建ての構造物を複製・抽象化して、シンプルな建築表現として提示。一般的な文脈から切り離して、建築業界におけるデジタル製造の活用方法の一事例を示している。

このStereoform Slabは、現代建築でもっとも一般的な要素で、都会のどこにでも見られるコンクリートスラブに対する、より持続可能な代替案でもある。SOMの調べでは、建築のCO2排出量の40~60%がコンクリートスラブのによるものだという。

そこで、高度なロボット工学によるコンクリート型枠の持続可能な製造技術を使えば、材料や廃棄物の量を最小限に抑制、従来のシステムよりもコンクリートを20%削減し、20%のCO2削減を実現できるとしている。

▲Photos © Dave Burk | SOM

また、SOMはこれに合わせて、ホテル「Chicago Athletic Association」の豪華なロビーにも、連続した表面でできた波打つようなベンチ「Conversation Bench」を設置した。ロボットアームの1つの動作から、廃棄物を出さずにデザイン性のある形状のあるプロダクトができあがり、座る人が空間とも他の人々ともつながり、交流を深める新しい方法になるそうだ。End