米テンプル大学の新しい図書館「Charles Library」
従来型の研究用図書館を再解釈したスノヘッタのデザイン

米フィラデルフィアにあるテンプル大学に新しい図書館「Charles Library」が完成した。校内にある2つのメインストリートの交差点に位置し、街の中心部に向かう幹線道路にもほど近いそうだ。

こうしたダイナミックな都市環境から、スノヘッタのデザインは本の倉庫である従来型の研究用図書館を再解釈して、多様な協働スペースや社会に開かれた学習スペースを加えた建築とした。また、前身となる1960年代に完成した「Paley Library」と比べて2倍以上の研究スペースを提供、年間500万人以上の来館者を見込んでいる。

外装は、周囲のキャンパスで用いられている材料を念頭に花崗岩を採用。壮大な木造のアーチ型のエントランスは、石造りのボリュームを切り込んだようなデザインだ。

このアーチは建物内にも続いて、大きな3階建てのドーム型アトリウムを形成。そこには、24時間年中無休で使えるエリアや、市民が利用できるコンピューター付きのワークスペースを用意しているという。

今日の学生の新たなニーズに合わせたさまざまなスペースを設けているが、従来のアカデミックな図書館における研究体験も味わえる。太陽の光が降り注ぐ穏やかな4階には、およそ20万冊にものぼる蔵書が閲覧可能で、個人用の学習スペースもその周囲に並んでいる。

ここでは四方をすべてガラス張りにし、緑豊かな屋上の景色を眺めることができる。この緑の屋根は、建物の屋根の70%以上をカバーしており、ペンシルバニア州でもっとも広い緑の屋根の1つであり、敷地の雨水管理システムとしても重要な役割を果たしている。End