建築と自然のあいだの相互浸透を目指す
Edoardo Tresoldiのアート作品「Symbiosis」

▲© Roberto Conte

イタリア北部トレンティーノの渓谷にある野外博物館「Arte Sella sculpture park」では、サイトスペシフィックなアート作品「Symbiosis(共生)」が公開されている。

この作品は、建築的なアート作品を手がけるEdoardo Tresoldiによるもの。同氏はこれまでワイヤーメッシュを使って、「不在の物質(Absent Matter)」という透明なものを表現してきた。しかし今回は、初めて地元産の石も使って、建築と自然のあいだにある彫刻的なものと感情的なものとの相互浸透を目指した。

▲© Roberto Conte

空に向かって伸びる高さ5mの作品で、休息や熟考ができる空間である。建築や自然、時間のあいだに漂う廃墟のごとく、意識と無意識のあいだ、物質的世界と非物質的世界のあいだを浮かんでいるようで、重力に逆らっているようにも見える。

▲© Roberto Conte

「Symbiosis」は、建築の要素と自然の要素のあいだにあえてつながりをもたせて、周囲の風景を解釈する試みだ。両者のたえまないやりとりから、彫刻の美しさや意味、論理が決まる。Tresoldiは風景の要素を語るときに建築の原型を用いるのだが、ここではこうした要素を解釈するためのチャンネルになるのだ。End

▲© Roberto Conte