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2019.09.18 16:09
スペインの観光地として知られるイビサ島でパリの建築設計事務所 Atelier Lavitが手がけた「CABANA」は、島の西海岸沿いの住宅地 Es Cubellsの木立にひっそりとたたずむプライベートルーム。母屋となる別荘から離れたところにある、オーナーとゲストが原初的な体験を楽しめる隠れ家だ。
建築は島の気候に合わせた設計で、南向きで谷と海を見下ろすことができ、屋根と壁は住居スペースと屋外スペースがいつも自然に日陰になるように配置。小屋の周りを囲むさまざまな密度の木製スクリーンはプライバシーを守り、太陽や風を遮ってくれる。
室内はシンプルかつ合理的で、各コーナーはスペースを活用できるように設計。バスルームとドレッシングキャビンは寝室と分け、照明や換気の役割も果たすそうだ。
大きなガラス窓を用いることで180°のパノラマビューを確保。部屋とテラスは連続したスペースで、裸足で簡単に行き来することができる。
外装に使用された木材は耐久性に優れたベイマツで、独特の重みがあり、構造全体の明るさをキープ。一方、テラスはカラマツでできており、滑り止め用に表面には縞模様をつけている。室内はポプラで壁や天井を覆い、光と香りを放つという。寄木は栗の木で、耐摩耗性に優れている。
昼間はスクリーンから差し込む太陽の光と影のショーが体験でき、日没後は反対に月明かりだけが照らす暗闇に浸りながら、ランタンのように、木製のスラットの隙間から室内の黄金色の光を外へ放つよう設計されている。