NEWS | 建築
2019.09.17 14:26
私たちの子どもたちが力を合わせ地球の環境を守らなければならなくなる、そんな時代きっと来ることだろう。しかし、その原因が私たちにあるとすれば、今のうちから建築物から出る二酸化炭素排出量を減らしておくことが建築家の責務ではないか。
フランスの建築設計事務所 Atelier du Pontはこうした想いから、パリの東部・ヴァンセンヌの森のはずれにあるフランス公衆衛生局(Santé Publique France)のオフィスを完成させた。
建物は、構造、床、ファサードまですべて木材を採用。地面に薪の束を置いたようなデザインだが、人々を守ろうと両腕を広げたような形をしており、フランスに住む人々の健康を監督する責務や模範的な姿を象徴しているという。
もちろん、利用する職員の健康にも十分配慮した。溶剤やプラスチックは使わず、天然でリサイクル可能な材料や建設プロセスを使用。ワークスペースは光があふれ、すっきりして防音性が高く、周囲の景観に広く開かれている。
階段はゆったりとして自然な明るさがあり、各階への移動もエレベーターを使わずに歩くことを推奨しているそうだ。共有スペースは相互作用を促し、打ち解けたミーティングもできる。
各階にあるレストランとミニカフェは暖かみと親しみがある場所とし、美しい森の公園を眺めらながらランチができるように、屋外に家具付きの大きなテラスも用意。3つある庭園の植物はそれぞれ、有益・有害・癒しのテーマをもとに作られていて、教育的な目的もあるのだそうだ。