NEWS | アート / インテリア
2019.09.09 16:51
オーストリアの建築家 アドルフ・ロース(Adolf Loos)は1908年、正方形の幾何学グリッドを使って、ウィーンで最初となるアメリカンスタイルのバー「Kärntner Bar」のインテリアを仕上げたという。鏡張りの壁により、大理石の格天井や柱や梁が無限に続くような幻想的な空間だそうだ。
そして、Christoph Meier、Ute Müller、Robert Schwarz、Lukas Stopczynskiという4人のアーティストが、ロースのバーへのオマージュとなる「LAX BAR」を作り上げた。見る者を行為する者に変えるという社会的な側面を強調しているが、同作はバーではなくウォークイン・インスタレーションである。
この4人組はこれまで「LOS BAR」と「STROOKOFFER」を披露しており、今回の「LAX BAR」がルースによるバーを再解釈した3作目となる。
この作品では、家全体を白い正方形のタイル張りにしたことで知られるフランスのアーティスト ジャン=ピエール・レイノー(Jean-Pierre Raynaud)も参考にしたようだ。ちなみにレイノーの意図は、日常のものを大量に使用して、厳密なグリッドによる絶対的な空間を作ることだった。
「LAX BAR」が作られたのは、1959年にオープンしたウィーン初のレコードショップの1つであったかつての「Schallplatten Brigitte」の店内で、今回はルースの優雅なデザインとはちがい、コンセプチュアルなミニマリズムにフォーカスしたそうだ。