NEWS | 建築
2019.09.06 15:36
7,000kmもつづくデンマークの海岸線の端に、モダンな一軒家が建てられている。オスロとハンブルクに拠点を置く建築家 Viktor Sørlessによるこの「DUNE HOUSE」は、周りの景色の素晴らしい美しさをくまなく見渡せる場所に立地している。
クライアントは熱狂的な映画ファンで、ロマン・ポランスキーの「ゴーストライター」にインスパイアされた、”持続可能で現代的な避暑地の別荘”を希望したそうだ。
家に入るために通るエレベータールームは玄関ホールとギャラリーを兼ね、十字形の建物は、北南東西の4つの方位を指している。
それらの空間に差し込む光の角度は一日を通して変化し、映画のようなムードやメッセージを与えてくれる。カーテンが演出するのは、人物が影絵のように動く光景だ。
また、建物の周囲に流れるのは風という要素である。ドイツの哲学者 ヘルマン・シュミッツは風のことを「半物体(half-thing)」と考えたそうだ。「風が通り過ぎると、どこに行ったのかはわからないが、私たちの身体には在と不在を感じることができる」ということだ。
この半物体は雰囲気を作り出し、身体的な感覚を生み出すのだ。