NEWS | プロダクト
2019.09.06 13:59
ロンドン拠点にするデザインテクノロジスト Nicole Stjernswärdが手がける「KAIKU Living Color」は、石油由来の着色顔料の持続可能な代替品を提案するものだ。
ほとんどの消費製品の色合いは石油化学製品に由来しており、そのサステナビリティについてあらゆるものを精査してみると、顔料そのものを変えるべきだということがわかったという。
歴史的に見れば、着色には植物や鉱物に由来するものを用いてきた。しかし、工業化が始まると、安価な石油化学製品からできた着色顔料が一般的となり、環境への負荷が大きくなってしまった。
そこで、これ以上の環境破壊を避けようと開発したのが「KAIKU」である。使用するのは植物廃棄物で、これにより天然の粉末顔料ができあがるのだ。アボカド、タマネギ、オレンジなど、私たちが毎日食べる作物や果物の膜や皮から貴重な色ができる。
ふつう、こうした廃棄物は埋立地で腐っていくだけだが、これを価値の高い資源に変える試みだ。同氏が公開している製造装置もシンプル。環境に優しいだけでなく、さまざまな作物から予想外の色彩が生まれるという驚きも、この試みの楽しみのひとつになるだろう。