NEWS | インテリア
2019.08.29 15:50
2019年2月に完成した「SONY CREATIVE CENTER TAMACHI OFFICE」。このソニーのデザイン部門のサテライトオフィスの内装計画をSAKUMAESHIMA / 朔永吉+前嶋章太郎が手がけた。
東京・田町のオフィスビルのワンフロアという独立した場所に拠点を設けるにあたり、最新のデザインを扱うための機密性の高いセキュリティエリアを確保しながら、同時に展示会やイベント時に社外の人を招くことも意識した、開放的でオープンなオフィスが求められたという。
さらに、プロジェクト単位での働き方や働く規模の変化など、オフィス内での多様な過ごし方も求められたそうだ。
機密性の高いセキュリティエリアと、イベントにも対応可能なオープンスペースという2つの要求の両立をさせるため、4面採光のフロアに対し、各チームの個室のボリュームが点在するような計画となっており、来客を招くパブリックなエリアから段階的にセキュリティを高めながら、ゆるやかに連続するような空間ができあがった。
フロア中央に設けた中庭のような広場からは、どこにいても外の光が感じられるように、視線の抜けを意識しながら各個室へ容易にアクセスできるよう、動線を考慮したボリューム配置になっている。
計画地の新築貸ビルは、引渡しの状態がスケルトン天井、鋼製OAフロア現しだったそうだが、この既存の状態をベースに、新旧のマテリアルをフラットな状態で扱いつつも、新しい要素を足し引きすることでバランスをとっていったという。
その結果、丁寧に仕上げられた木毛セメント板のボリューム、グレーの染色を施したフローリング、黒い建具のフレームなど、新しいマテリアルは既存のビルのトーンと調和。
眺望を活かした開放感と居心地の良さを追求しつつ、必要最小限の要素で構成することを目指したこの空間は、ニュートラルで素材そのものの色や質感を基調としてまとめることで、今後の変化を受け入れやすい土壌に仕上がっている。