パナソニックのデザインスタジオ「FUTURE LIFE FACTORY」
ツバメアーキテクツがインテリアデザインを担当

▲写真:長谷川健太

「これからの豊かなくらしとは何か」を問い直し、モノ / コトを問わず具現化しているパナソニックのデザインスタジオ「FUTURE LIFE FACTORY」。

そのインテリアデザインは、建築ユニット ツバメアーキテクツが担当したそうだ。この部署が、これからの生活におけるデザインとはそもそも何かを考える、「メタデザイン」とも言うべき領域を扱っていることに着目。

▲写真:長谷川健太

歴史ある組織体のなかでは、未来に向けた余白としての空間がまず求められていると解釈。オフィスの半分くらいを文字通り余白の空間とし、社外のアーティストを招いたアート展示や、積極的なコラボレーションワークを行うギャラリー機能を担わせている。

次に、〈余白の空間〉と〈執務空間〉の境界面のデザインを構想。間仕切りを単なる壁ではなく、ある種の柱間装置として捉え、〈ギャラリー壁、情報セキュリティ・防犯、遮音、構造体、収納、照明〉といったいくつかの「配慮」に分解。

それらを〈コンセント、エキスパンドメタル、飛散防止・偏向フィルム、ガラス、スタッド、スチールラック〉といった素材に置き換えて、レイヤー状に重ねた。

そうすることで、世に出る前のモノと世に出たモノのシルエットが重なり、ガラスにはエキスパンドメタルの裏側が映り込み、実像と虚像が重なることでモアレを起こすという。

▲写真:長谷川健太

また、これらは太陽の位置によって移りゆく光の具合の変化で、空間に彩りを加える仕掛けにもなっている。End

施主:パナソニック株式会社
設計:ツバメアーキテクツ
構造アドバイス(柱間装置部分):オーノJAPAN
照明シミュレーション:和田遼平(パナソニック)
施工:月造
写真:長谷川健太