NEWS | アート
2019.08.06 11:30
私たちの足下には、微生物がたくさん住む世界が広がっている。その多くは、私たちの環境のなかで重要な役割を担っている。とくにジオバクタ―(Geobacter)と呼ばれる細菌は、電子を周囲に放出して水を浄化することができるのだそうだ。
アムステルダムをベースに活動するデザイナー Teresa van Dongenは、2016年からベルギーのゲント大学と共同で、こうした特性をもつ微生物を調査してきた。人間が使える電気を生成することが目的だ。
そして、オランダのカルチャーイベント「Oerol Festival 2019」において、彼女は会場となったテルスヘリング(Terschelling)島の複数の場所で、エネルギーを供給できるこうした微生物を含む、新しい強力なエコシステムが発見できるかを調査。
この調査結果から、彼女は第二次世界大戦時の爆弾によるクレーターの泥土のなかのバクテリアからエネルギーを受けた光のインスタレーション「Mud Well」を制作した。このエコシステムは、これまでに発見したものでもっとも強いものの1つだそうで、クレーターはこうした微生物にとって格好の場所だということもわかった。
それはこの場所が、常に有機物が豊富で、海や川などからのさまざまな要因の影響を完全に遮断しているからだそうだ。