似通った都市を分析して2050年の気候変動を予測
マドリードやロンドン、そして東京はどの都市に近づくか?

▲Photo by NASA on Unsplash

気候変動とは、一般的には地球の温暖化とそれに伴うさまざまな影響のことを思い浮かべるだろう。では、どのくらい変動してしまうのかといえば、なかなかイメージしにくいかもしれない。

そこで、オープンアクセスの科学雑誌「PLOS ONE」に掲載されたある論文では、世界中の520の主要都市のなかで似通った都市をペアにする分析が行われた。つまり、2050年のある都市の気候が他のどこの都市に近づくかを調べるのだ。

この研究ではこうした都市の現在の気候データを取りあげ、都市の気候条件をもとに世界的な変動を評価し、2050年にもっとも近くなるであろう都市を予測。気候の平均値のほか、気候の可変性や季節性など、生物と気候の関係性を示す19の「生物気候変数(bioclimatic variables)」なるものを活用して、地球規模でのパターンを調査した。

結論としては、77%の都市が2050年に他の都市に近い気候になる可能性が非常に高く、残りの23%の都市は、現在の気候にもっとも近い状態を維持するという結果になった。

たとえば、マドリードの気候は現在のマラケシュの気候に、同じくストックホルムはブダペストに、ロンドンはバルセロナに、モスクワはソフィアに、サンフランシスコはリスボンに、東京は中国・長沙に近づくのだそうだ。End