金沢を拠点に日本の骨董品などを用いながら家具を創作
デザイナー 原嶋亮輔の「STILLIFE」シリーズ

▲Bar-lock Chest Table

工芸都市・金沢を拠点に活動しながら、日本の古民芸品や骨董品などを用いながら家具を創作しているデザイナー 原嶋亮輔

多くの工房、工場などを訪ねまわることのできる地場の特徴を活かし、様々な工芸の工房や職人、メーカーとの密なコミュニケーションから生まれるものづくり、商品開発を得意としている。

▲Bamboo Lattice Light

同氏は、現代の生活環境では適応できなくなった日本の古い道具たちに改めて着目し、現代的で工業的なものとの組み合わせで全く新しい家具へと昇華。そうした彼の作品群を彼は「STILLIFE」と呼ぶ。

真新しい製品にはない、古びた質感や纏う雰囲気に対して、真鍮やガラスなどの素材を交わらせることで、時を経た奥深さが引き立ち、古典でありながら洗練された在り方へ道具を昇華させるのだ。

▲Urushi Layered Boxes

▲Bamboo Ladder Light

そんな「かつて道具だった」古民具に現代的な解釈を与えることで、今の時代だからこそ「より魅力的な道具」であることをみせることのできる変化を考えたという。

▲Calico Clothing Tray

▲Glassware Candle Stand

その変容を思い描く時、日本の信仰文化にある「付喪神」の在り方が頭によぎるそうだ。古く朽ちてゆくものから意思ある者への変化は、人を引きつけ、創造力を掻立てる。古民具はそのままの姿で魅力的でもあるが、新しい在り方を与えることで、洗練された現代性への変化を表し、ものを消費し続ける社会の在り方に問いをなげかけている。End

▲Urushi Layered Trays

▲Bamboo Basket Table

▲Bamboo Lattice Table
Photos: © Nik van der Giesen