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2019.07.19 11:43
デンマークのレス島(Læsø)では海藻を使った屋根葺きが行われていたそうである。この島では木材がなくなってしまい、バイキングはアマモで屋根を作り始めたのだ。しかし、1930年代の気候変動や萎縮病でアマモの量は減少し、茅葺き方法はほぼ失われてしまったという。
そこで、KEA(Copenhagen School of Design and Technology)の卒業制作として、Kathryn Larsenはこの建築方法に着目。英語の資料もあまりないため、世界の建築業界に大きな影響を与えるのではないかと考えたからだ。
建築材料としてのアマモは、カーボンニュートラルで耐腐食性や耐火性に優れ、一年経っても屋外で防水性を発揮。また、ロックウールにも匹敵する耐熱性能がある。
彼女は昔からの方法や先行研究などを使って実験を重ねたのちに、結合剤を使わずに、水とアマモだけで大きなパネルを作製。結合剤を使うとアマモの質感や性質が変化してしまうのだ。
屋根を葺いているときには、水をかけることでアマモに柔軟性が出るが、結合剤では逆に硬くなってしまい、アマモがもろくなってしまうこともある。とはいえ、結合剤を使えば耐水性が向上するので、今後は時間をかけて屋外で研究を続けていくそうだ。