NEWS | 建築
2019.07.16 16:32
ロンドンにある「カートゥーン・ミュージアム(Cartoon Museum)」は、2019年にリニューアルオープンを果たした。Sam Jacob Studioが新たに手がけたのは、2つのギャラリー、ショップ、学習施設、オフィス、記録保管所からなる空間のデザインだ。
デザインのアプローチは、ユーモアと楽しさにあふれるカートゥーンのグラフィックを立体的にしてみようというもの。
ミュージアムを案内するネオンサインの吹き出しをくぐると、赤い階段が現れ、カートゥーンの移り変わりをイラストで見せてくれる。さらに、館内は”カートゥーン”のような仕掛けが満載。爆発したように開いた壁の穴からは、向こう側をのぞくことができる。
ショップには床にトラの敷物のデザインが描かれており、その上には黄色い「HELLO」という文字が描かれたカウンターを設置。ここには雲や木々のほか、空間自体がしずくとなってしたたり落ちてしまうような切り抜きまで設けている。また、悪者の隠れ家ではおなじみの隠し扉のついた偽の本棚の後ろには、学習ルームが隠されている。
このような遊び心を、既存の複雑な構造のもとで、空間をよりわかりやすく効率的に使うため、柔軟なギャラリースペースと住宅設備の裏側を両立させるという空間構成の難しさがあったそうだ。