NASAが開発中の火星探査用4足ロボット「LEMUR」
16本の指と何百もの釣り針で岩壁をよじ登る

▲Credits: NASA/JPL-Caltech

火星の平野やクレーターを走るロボットは実現可能なものだが、火星やその先にある惑星で崖や南北両極、そのほかの行きにくい場所は探索できるのだろうか。

NASAが開発中の4足ロボット「LEMUR(Limbed Excursion Mechanical Utility Robot)」は、それぞれの足に16本の指をもち、さらにその先端に何百もの小さな釣り針をつけたもので、AIを駆使して周囲の障害物を見分けながら、岩壁をよじ登ることができるそうだ。

そしてこのLEMURをさらに応用して、新しいロボットも開発。「Ice Worm」は、LEMURの1本の足を改良したもので、シャクトリムシのように収縮・伸展させて進むことができ、硬い表面に穴を開けながら氷の壁を登ることができるという。

▲Ice Worm. Credits: NASA/JPL-Caltech

▲RoboSimian. Credits: NASA/JPL-Caltech

さらに、「RoboSimian」は、氷だけでなく、泥のような場所や崩れやすいところも移動できるローバーである。4足歩行にくわえて、這ったり、シャクトリムシのような動きをしたり、ペンギンのように腹ばいで滑っていくことも可能。

▲Underwater Gripper. © Ocean Exploration Trust

そのほかにも「Gecko Gripper」や「Underwater Gripper」、「Mars Helicopter」などを開発しているが、いずれもLEMURがもつ足や指、爪のような釣り針のグリップ能力がカギとなっているようだ。今後の火星などの探索にきっと活かされることだろう。End