ニューヨークのハーレム川沿いにあるシャーマン・クリーク・パークに建設予定の「Row New York」は、Foster + Partnersと地元の建築スタジオ Bade Stageberg Coxがデザインする新しいボートハウスである。

ボートを通じて学んだスキルは個人の成長には欠かせない、という信念のもとに設立された「Row New York」。十分なサービスが受けられないニューヨークのコミュニティに住む学生たちに、スポーツとしてのボート競技と大学進学など高等教育への準備となるプログラムを無料、または低コストで提供している。

20世紀の初めには、川に沿って多くの木造ボートハウスがあったそうだ。新しいボートハウスもすべて木造で、シンプルな直線的構造がかつての伝統を思い出させる。建物の前面には誰でも入れる広場を設け、そこから幅の広い階段が川に向かって伸びている。

下の階には洪水にも耐えられるボート収納庫があり、上の階には放課後のプログラム用に更衣室や教室、さらには大きな多目的ホールがある。このスぺースの東端には広いテラスを設け、川を見渡すことができる。

ボートハウスの上には大きな木製キャノピーが浮かんでおり、日光を遮ってくれる。柔軟で多目的なウォーターフロントのオープンスペースとして、コミュニティのイベントや公演、カジュアルなレジャー活動向けにも設計された、美しく整えられたエリアとなるだろう。