ブラジルのデザインデュオ Furf Design Studioによる
植物の葉を革にした世界初のチェア・コレクション「Outono」

ブラジルのデザインデュオ Furf Design Studioが公開した新作「Outono(Autumn)」は、植物の葉を革にして作った世界初のチェア・コレクションである。

開発に5年もの歳月を費やしたという同コレクション。この素材は世界でただひとつの有機製革工場である「Nova Kaeru」が製造を手がけており、その材料は動物の皮革と非常に似た特徴があるという。

製造工程でのCO2排出量は植栽や葉の成長による炭素吸収で補填できるという優れた点があり、現在利用できるもっとも持続可能な選択肢のひとつとなることができる。要するに、この材料は生産することで環境をきれいにしてくれるのである。

他の多くの植物由来のテキスタイルとはちがって、革の風合いを持つこのシートは他の繊維、ポリマー、化学物質と混合しておらず、見た目や質感、自然な形の美しさをキープしている。いわば「ビーガン」な素材で、リオデジャネイロ内陸部にある熱帯雨林の中心部で開発されたブラジルの最先端のイノベーションの成果なのだ。

手作業で溶接と仕上げを行ったリサイクル鋼を用いることで、しっかりとした構造が生まれた。長さを6フィート(約1.8m)とすることで、単なる生産品であるだけでなく、空間的な機能美をも兼ね備えている。産業的で職人的、不毛でも肥沃でもある、過去でも未来でもある、そんなハイブリッドな作品に仕上がっている。End