タンパク質が音楽を奏でる!?
MIT研究チームがアミノ酸の配列を音楽のシークエンスに変換

▲Image: Christine Daniloff, MIT

マサチューセッツ工科大学の研究チームは、「科学」と「音楽」を結び合わせることに成功したそうだ。つまり、あらゆる生物の基本的な構成要素であるタンパク質の分子構造を、音楽の一節にも似た可聴音に変換するシステムを開発したのだ。

分子の物理的な性質を活用して音を決定し、タンパク質のアミノ酸の配列を音楽のシークエンスに変換したのだという。

この研究全体のコンセプトは、タンパク質とその多様なバリエーションを理解するための手がかりを得ること。タンパク質は皮膚や骨、筋肉を構成するものだが、酵素、信号を発する化学物質、分子スイッチ、そしてすべての生物組織を構成する機能材料でもある。しかし、機能を決定する形へと折りたたむ方法など、タンパク質の構造は非常に複雑だ。

そこで、タンパク質がもつ「言語」を人間がよく知っている別の形式に翻訳して、情報のさまざまな面をピッチやボリューム、持続といった別の次元にコード化するのである。

ただ、研究はこれにとどまらない。研究チームはAIシステムを活用して、多種多様なタンパク質からつくったメロディを調査。上記のプロセスを反転させて、音楽を変奏させることで、自然界にはなかった新しいタンパク質をつくり出そうというのだ。

ともあれ、研究チームはシルクプロテインやアミノ酸の音楽を公開しているので、ぜひ視聴してみよう。End