アムステルダムの新興地区「NDSM」のハーバーに浮かぶ
彫刻作品にヒントを得た建築「Floating Pavilion」

アムステルダム北部にある「NDSM」という新しい活気ある地域は、ここ数年、世界中の芸術家、デザイナー、建築家、エンジニアなどが集まり、多くの革新的で創造的な実験が行われている場所である。この一角に建設予定の「Floating Pavilion」は、新しいハーバーの建設プロジェクトの一環だ。

このNDSMは、もともとは1920年代から1980年代にかけて操業していた世界最大の造船所の1つ。オランダの家具メーカー「Woodies at Berlin」がこのハーバーを建設しており、この地域の職人の技を守るためのイニシアチブの一環でもあるそうだ。

このFloating Pavilionを手がけるのは、アムステルダムを拠点とする建築スタジオ「zU-studio」で、老朽化した「Dortmunder Ship」の上に建造して、この場所に魅力的な浮遊体験を生み出すことを目指している。

ふつうコンテナ船はさまざまな国や大陸のあいだを行き来するが、ある国から別の国へと芸術作品や彫刻が運ばれ、文化の架け橋をかけるように、船の上部に抽象的な形を作ることに関心をもったそうだ。

さまざまな角度で配置された薄い壁からなるこの構造は、アムステルダムのミュージアム広場(Museumplein)にあるリチャード・セラ(Richard Serra)の彫刻にインスパイアされているという。この斬新な形状により、船内にはさまざまにつながった空間が生まれ、アイ湾からハーバーまで市街の美しい景色が眺められるようになった。End