JAXA（宇宙航空研究開発機構）が認定した宇宙ベンチャー「天地人」が設立された。2018年11月19日に開催された宇宙ビジネスアイデアコンテスト「S-Booster 2018」を起点に法人化した宇宙ベンチャーだ。

同社は、JAXAの知的財産やJAXAの業務で得た知見を利用して事業をおこなう「JAXAベンチャー」として認定されており、JAXA職員と農業IoT分野に知見のある開発者が中心となっている。

とくに、JAXAが得意とする高精度・高分解能な地球観測衛星データを活用した独自開発の土地評価エンジンで、「目に見えない情報」を解析して、まだ誰も気付いていない土地の価値を明らかにすることを目指している。

天地人は、顧客の課題に応じて、複数の衛星データや地上データを組み合わせ、土地評価マップというソリューションを提案する。S-Booster 2018で披露した「ポテンシャル名産地 発掘プロジェクト」は、衛星から得られる降雨や地表面温度などの気象情報と、地形の3Dマップに代表される地形情報を複合的に分析し、その土地で伝統的に栽培されている作物より生産性の高い作物を見つけるためのプロジェクトだ。

「人類の文明活動を最適化する」ことを目標に、農業や漁業などの一次産業だけでなく、不動産、エネルギー、流通、旅行など、幅広い分野で客観的なデータに基づくスピーディな意思決定をサポートしたいとしている。