NEWS | テクノロジー
2019.06.20 14:43
植物は環境や他の生物を感知しながら、それに応じて再生や活性化、成長を行うことができる。そして、私たちが植物と行う相互作用やコミュニケーションも、色彩、向き、水分、花の位置、葉を見るなど、さまざまな方法がある。
こうした繊細なやりとりは、スクリーンやその周りのみで済んでしまう人工的な電子機器との相互作用とは対照的だろう。マサチューセッツ工科大学のMIT Media Labでは、この相互作用をスクリーン上から私たちの周りにある自然な環境に取り戻すことを考えた。
彼らが構想する「Cyborg Botany」は、植物をセンサーやディスプレイ、アクチュエータとして強化しようとするものだ。植物には電気化学的な信号や応答メカニズムが備わっており、新しいインタラクションデザインを提案したいという。
そこで、2つのケーススタディを公開している。まず、「植物アクチュエータ」は、ハエトリグサとオジギソウを使い、ディスプレイ上にあるこれらの植物をクリックすると実際のものが反応するという仕掛けだ。
もうひとつは、植物をアンテナやモーションセンサーなどとして使用。たとえば、人間や動物が植物の前を通り過ぎると、これを検知してサインを送ってくれる、というような使い方ができるそうだ。
このプロジェクトでは、植物とデジタル機器とのリアルタイムの相互作用が、ユビキタスで持続可能なデザインを考える上で鍵になると考えている。