NEWS | サイエンス
2019.06.19 10:19
人間にとってはかけがえのない存在である犬だが、どうして犬は他の動物に比べて人間と良好な関係を結べるのだろうか。こうした疑問に取り組んだ研究結果を英 ポーツマス大学が発表している。
研究チームによると、犬とオオカミのあいだで体の構造や行動を比較して、犬が人間とコミュニケーションを取るために、目の周りに新しい筋肉を何千年にもわたって発達させてきたことがわかった。
この比較では、犬とオオカミの顔の筋肉組織はほとんど同じだということがわかった。唯一ちがっているのは目の上の筋肉。犬はここに小さな筋肉を有していて、内側の眉をしっかりとつり上げることができるのだ。
このしぐさが、人間のなかにこの犬を育てたいという感情を呼び起こすという。つまり、眉をつり上げることで、犬の目は幼児のように大きく開き、また悲しいときに人間が見せる顔にも見えるようになる。
さらに、人間と犬の絆が深まるもうひとつの理由として、人間にとっては相手に白目があることが好ましく、犬にも眉をつり上げることで白目が現れることを挙げている。ちなみに、犬でこの筋肉がないのは、古い犬種であるシベリアンハスキーだけだったそうだ。