土星の環はまだまだ謎が多い!?
土星探査機「カッシーニ」がとらえた画像の解析が進む

▲Credits: NASA/JPL-Caltech/Space Science Institute

1997年に打上げられた土星探査機「カッシーニ」。2017年にミッションは終了したが、同機が収集したデータの解析は今なお続けられている。

とくに土星の環は鮮明で、そのテクスチャやパターンは、塊のように詰まった部分から藁のようにスカスカした部分まで、どのような作用で形成されたのか次々に疑問が浮かぶという。

まず、土星の環のなかには非常に小さな衛星があり、これがその周りにある粒子と相互作用することで環が形成される。そして、環は発見された順にA環からG環まである。こうしたことは、「原始惑星系円盤」の内側で惑星が形成されるプロセスと似ており、私たちの住む太陽系を形作る円盤の形成プロセスを解明する手がかりになるそうだ。

▲Credits: NASA/JPL-Caltech/Space Science Institute

そして、クローズアップ画像がとらえた詰まった部分、滑らかな部分、縞状の部分という3つのテクスチャは、はっきりした境界のある帯状のものとして発生することはわかったが、その原因はわからない。というのも、これまでに知られている環のどんな特徴とも関係がないからだ。

また、「可視光・赤外マッピングスペクトロメーター」というものを使い、A環のもっとも外側の部分に非常に弱い水の氷の帯を発見した。このエリアは反射率が高く、それは一般的には純度の高い氷や強い水の氷の帯がある証拠なので、想定を覆すものとなった。

▲Credit: NASA/JPL-Caltech/Space Science Institute/G. Ugarkovic

このように、土星の環については、わかればわかるほど謎もまた深まっていくようだ。これからも驚くような新しい発見があることを期待しよう。End