NEWS | 建築
2019.06.14 16:23
かつてある建築事務所が「インセクトホテル(Insect Hotel)」なる昆虫たちのための住みかを考案したそうだ。もちろん、自然の環境を再構築しようという試みだが、今回新たにStudio NABが「Hotel Bus Stop」というプロジェクトを公開した。
都市の真ん中、バス停そのものをエコ地区にして、昆虫や鳥、植物を再導入するためのものである。現在はとくに昆虫のバイオマスと生物多様性の減少が、私たちの影響によると考えられているからだ。
そこでまず、果樹や野菜、観賞用の花の85%の繁殖周期に必要な受粉昆虫のための生態系を都市に導入。プロジェクトの方向性や場所に応じて多種多様な補助昆虫を繁殖させ、屋根の下にはさまざまな鳥が巣を作れるようにデザイン。
そして、大人と子どもが自然を観察して学び、ワークショップを開催して、都市の住人と自然を結び直すのだ。
バス停の材料としては木材、ボール紙、ステンレス鋼などのリサイクル品を使用。屋根や側面にはいろいろな植物を植え、微粒子をろ過して空気をきれいにし、雨水を吸収。また、メンテナンスや周辺への配慮として「グリーンジョブ」を新設することも盛り込まれている。
集約農業での農薬の使用、自然生息地の破壊、過度の都市化、地球温暖化、さまざまな汚染に対抗するには、都市に住む私たちが行動しなければいけないと、このプロジェクトは示唆している。