NEWS | プロダクト / 見本市・展示会
2019.06.14 16:53
都市型のバッテリー式自動走行コンセプトEV「NXT」がフォルクスワーゲングループのトラックメーカー スカニアから発表された。午前や午後の通勤・帰宅用だけでなく、日中は商品を配送し、夜間にはゴミ収集もできる柔軟性を備えたバスである。
このEVは、フロントおよびリアに駆動モジュールを備えていて、そこに「乗合バス」、「物流トラック」、「ゴミ収集」などの用途に合わせたボディを取り付けることができるのだ。先ごろストックホルムで開催された「UITP Global Public Transport Summit」にて公開された。
全長8mのバスモジュールは複合ユニット構造で、大幅な軽量化を実現。円筒形の燃料電池は床下に配置するなど、デッドスペースを活用するとともに、重量の配分も考えたデザインだ。8トンに満たない軽量の車体で、現行のバッテリーでは航続距離を245kmと想定している。
商業的な交通システムは都市の大動脈として、通勤・通学のみならず、食品を店舗やレストランに運んだり、医薬品を病院に届けたり、ゴミを収集することが求められている。しかし、多くの人が行き交う朝のラッシュアワー時に商品を配達したり、深夜に都心で商業輸送が広く禁止されるなど、現状は最善とは言えないのだ。
NXTが実用化されるには都市のインフラ自体を大幅に変える必要があるが、同社ではこうしたコンセプトEVの開発を通じて、都市交通システム全体の変革が実現することを期待している。