ポーランド発の生物由来の包装材「SCOBY」
バイオ廃棄物を家庭で堆肥化できる包装に転換

ポーランドのプワビ(Puławy)を拠点にする「MakeGrowLab」は、科学とデザイン、ビジネスを融合させて、日常生活でバイオファブリケーションを役立てようとするデザインスタジオだ。

生物学の知識を製品に取り入れることで、無駄の多い社会を豊かな環境を生み出す生物学的なシステムへと転換することが、彼らの目指すところだという。そこで開発したのが、「SCOBY(スコビー)」と呼ばれる生物由来の包装材で、野菜の栽培にヒントを得たプロジェクトである。

SCOBYは農業廃棄物からの抽出物で培養された膜状の素材で、これで包むことで製品を長持ちさせたり、中身と一緒に食べたり、堆肥としても使えるのだ。

目標は、11〜15日ごとに1平米あたり1トン以上のSCOBYを量産することで、トレイやバッグ、個包装、ボウルなどに使うことを見込んでいる。

さらに、単に包装材を作るだけではなく、濃度を変えれば、天然の肥料にもなるし、生きた微生物を含んだプロバイオティククス飲料にもなるという、価値の高い副産物として未来の農家が栽培すべきものになると想定しているそうだ。End