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2019.06.06 17:28
マサチューセッツ工科大学発のスタートアップ「inkbit」が開発する3Dプリンタは、マシンビジョンとAIを搭載したまったく新しいものだ。
市販されている一般的な3Dプリンタは、「高速」、「高精度」、「高品質」の作製のいずれかを提供してきた。この3点が揃ったプリンタはほとんどないそうで、プロトタイピングや特別な部品の少量生産など、製造ツールとしての使用範囲は狭いという。
今回開発された3Dプリンタで作製すれば、従来よりも軽量で、強度があり、複雑なものが製造できる。そして、これまでにない大量生産の実現も目指している。
そこで用いるのが、マシンビジョンとAIである。このビジョンシステムは、対象の各レイヤーをさまざまな観点からスキャンし、リアルタイムでエラーを修正。機械学習システムはその情報から材料のゆがみを予測し、より正確な完成品を製造する仕組みだ。
同社によると、他のプリンタよりもはるかに正確に柔軟なものを印刷できるそうだ。完成すれば、機械にはデジタルで複製が保存されるので、品質を維持することができる。2019年後半には製品を販売し、2020年にはプリンタを販売する予定だ。
医療機器、消費製品、自動車部品を販売する企業からの依頼を期待しており、歯科矯正用のアライナーから産業用の機械設備や睡眠時無呼吸治療用マスクまで、今後数年間で数十億ドルの市場規模での展開を目指している。