半澤友美「The Histories of the Self」展が開催
300枚に及ぶ紙をしきつめたインスタレーション

神奈川県・箱根町にあるポーラ美術館は、現代美術を展示するスペース「アトリウム ギャラリー」にて、半澤友美の「The Histories of the Self」展を、2019年8月10日(土)から12月1日(日)まで開催する。

本展では、開放的な展示空間の特性を考慮しながら丹念に制作された、約300枚の紙で構成するインスタレーションを初公開。植物の繊維が絡み合った、着色された原料を平らな板の上にスポイトで点々と垂らし、それを幾層も重ね、プレスにかけて一枚の紙を制作。

▲半澤友美「The Histories of the Self」の連作より 2019年 ©tomomihanzawa

紙はその場の環境(天候や温度、湿度など)に応じてゆっくりと乾燥し、それぞれに固有の色味や凹凸などの様々な変化を見せるが、彼女はその制作過程と紙の思いがけない変化のなかに、人と人との関係性や、人が積み重ねる時間のイメージを見いだしている。

こうして制作された数多の紙は、赤や朱、紫、褐色などの紙の原料の選び方や厚み、プレスのかけ具合などの条件によって、それぞれ異なるという。紙の素材感豊かな本作品は、素材のもつ儚さやまだらな色のありようによって、不穏な雰囲気を漂わせ、観る者それぞれが積み重ねてきた時間の存在と向き合うことをうながしている。End

半澤友美「The Histories of the Self」展

会期
2019年8月10日(土)~12月1日(日)
開館時間
9:00~17:00(入館は16:30まで)
無休(展示替えのための臨時休館あり)
会場
ポーラ美術館「アトリウム ギャラリー」
詳細
https://www.polamuseum.or.jp/exhibition/20190810ag01/