NEWS | 建築
2019.06.04 16:24
トルコの首都イスタンブールの未来を予感させる、高さ369m・海抜589mの新しいテレビ塔「ISTANBUL CAMLICA TV AND RADIO TOWER」。現在使用されている複数のテレビ塔に代わるもので、新タワーには約125の放送送信装置を備えているという。
設計を手がけたMelike Altinisik Architectsは、建物の両側に展望エレベーターを設置することで、モノリシックな建築を2つの方向から楽しめるものにしている。一方からは歴史ある半島、もう一方からは黒海沿岸の眺めが、180mにわたって垂直に展開されるのだ。
その上には、アジアやヨーロッパも見渡せ、イスタンブールの景色が一望できる、海抜400mの2階建てのレストランや展望台も入居。タワー自体は203mのコンクリートコアに、145mの鉄塔が据えられている。
この記念碑的な建造物は、全体的な安定性を確保するために風力試験を実施。これをもとに、独特のファサードのデザインができ、建物の外装の重量からコンクリートコアの最適化も目指した。
ファサードは構造として最適であるだけでなく、住居スペースがタワーの中央にあるコンクリートコアのまわりで広がるデザインにもつながった。建築としては、この両面で高度な工学技術を必要とするユニークなタワー。こうしたプロセスを考慮して、設計や施工法、すべてのデザイン上の機能、建築計画、および材料の選択が行われたそうだ。