NEWS | 建築
2019.06.04 15:56
建築設計事務所 MuDD architectsが目指すものは、持続可能な建築のためのソリューションだ。この持続可能な住宅システムを作るために活用するのは、地元の天然素材と、ドローンなどの新しいテクノロジーである。
これまで手がけてきた建築プロジェクトの基本は、簡単なドーム状の骨組みを木や竹で作り、その上を布で覆い、ドローンを使って空中から壁の吹きつけを行うこと。
たとえば2018年に発表した作品は、木材でドーム型の構造を作り、干し草を詰め込んだ小さな麻袋をこの構造の壁になるようにぎっしりと敷き詰めて、その上にドローンに搭載されたノズルから泥や粘土のような安価な材料を液状にして吹きつけるものだ。
また、2019年のミラノデザインウィークで発表したのは、竹でアーチ状の骨組みを作り、そこに薄い布をかぶせて、粘土や砂や籾殻をドローンで吹きつけるもの。材料はすべてその場所から安価で調達できるものばかりで、大きな建設用の機材も不要だ。もちろん、制作日数も数日しかかからない。
同事務所を率いるStephanie Chaltielによれば、被災地や難民キャンプなどでの簡易住宅の建設で有効だとしている。大勢の人や大型機材が入れないような場所でも、ドローンが大きな役割を果たしてくれるだろう。