250を超えるイギリスの建築家が結集
気候と生物多様性に関する非常事態宣言を発表

気候の大きな変動と生物多様性の消失という関連し合う2つの危機的状況は、私たちの時代でもっとも深刻な問題だといえる。そこでイギリスの建築家たちは、連名で気候と生物多様性に関する非常事態宣言を発表した。

建築物および建設行為は大きな影響を及ぼしており、この分野では、エネルギー消費と関連した二酸化炭素(CO2)の排出量は40%近くを占めていて、自然の生息地にも大きな影響を与えている。

建設業界に携わる人にとって、地球の環境を破壊することなく社会のニーズを満たすには、その行動にパラダイムシフトが求められることになる。クライアントとともに、つねに再生し、自律的に持続する広範囲のシステムのために不可欠な構成要素として、建築、都市、インフラを発注・設計する必要があるのだ。

そして、この宣言の目標として、11の項目を掲げている。廃棄物や二酸化炭素排出量、建築資材の低減をはじめ、危機意識の啓発、政府やクライアントへの提案、評価などが含まれている。

このムーブメントの創設には David Chipperfield ArchitectsFoster + PartnersZaha Hadid Architectsなど、17の建築設計事務所が参加。いずれも王立英国建築家協会(RIBA)のスターリング賞を受賞している。また、これに賛同する建築設計事務所は、すでに250を超え、ますます増えている。今後の活動に注目だ。End