MITの研究チームが”触れるとモノを識別できる手袋”を開発中
センサーから得た触覚データセットをAIが学習

▲研究チーム提供

マサチューセッツ工科大学の研究チームは、触れることでモノを識別できるロボットや義手用の手袋を開発中だ。センサーを取り付け、大量の触覚データセットを取り扱うことで、触るだけで物体を識別・計量・操作できるようにAIシステムに学習させるのである。

研究チームは、手のひら側ほぼ全体に約550個の小型センサーを搭載した「scalable tactile glove」というニットグローブを低コストで開発。このグローブは非常に高解像度のデータを生成するが、約10ドル(約1,090円)の市販の材料でできているそうだ。

モノに触れるとニューラルネットワークが信号を処理して、特定の物体に関連した圧力信号パターンのデータセットを学習し、そこからオブジェクトを分類して、視覚的な情報なしにオブジェクトの重さを予測することができる。

発表した論文では、ソーダ缶、はさみ、テニスボール、スプーン、ペン、マグカップなど、日常にあるオブジェクト26個から得たデータセットについて記述しており、最大で76%の精度でオブジェクトを識別できた。また、約60g以下であれば、ほとんどのオブジェクトの正確な重量も測定できるとしている。

人間には感覚によるフィードバックがあるのでモノの識別が容易にできるが、ロボットはフィードバックに乏しく、こうした装置が必要になるのだそうだ。End