NEWS | 建築
2019.05.30 15:01
西オーストラリアの南西部・ノースクリフ(Northcliffe)に位置する、家族経営の垂直統合型酪農メーカー「Bannister Downs Dairy」。
Bosske Architectureが手がけた建物は、搾乳、加工、瓶詰め、包装をすべて1か所にまとめた乳製品製造工場で、「牧草から出荷まで」を一貫して行える、世界でも珍しい計画的な施設だそうだ。
この施設には、最先端の搾乳ロボットやその他の大型処理装置を設置。管理スタッフは酪農家でもあり、カフェや作業エリアを備え、処理施設全体を見渡す展示エリアや見学用の通路もある。
本館は、地方と農村のアイデンティティを保持しながら、大規模な最先端の処理工程を備えた建物で、「裏側」となる工場と「表側」となる牛舎に分かれ、訪問者は建物全体を体験できる。
牛舎には、典型的なオーストラリアの牛小屋の外観から始まって、伝統的な切妻のある納屋に変わり、最後には搾乳施設へと至る流れを作っている。ファサードは通路に沿ってねじれたデザインで、ダイナミックな高さを生み出しつつ、工程の諸段階に合わせている。抗酸化加工を施した赤いパネルは、一日を通して建物の外観を濃い赤から紫、そして鮮やかな金色に変わっていくそうだ。