NEWS | 建築
2019.05.29 16:42
「2016年熊本地震」で崩落した熊本城石垣の修復工事が進められているが、崩落や損傷の被害により約3割の石垣が修復対象となっており、積み直さなければならない石材は城全体で約10万個におよぶそうだ。
そこで、熊本大学大学院先端科学研究部と凸版印刷は連携協定を結び、熊本城石垣の復旧支援に取り組んでいる。
両者が行うのは、熊本市と連携協定を結ぶ熊本大学のコンピュータビジョン技術と、凸版印刷がVR作品「熊本城」(2011)制作時に取得した、崩落前の熊本城の櫓や石垣など約4万点のデジタルアーカイブデータを融合させて開発した「石垣照合システム」を使い、飯田丸五階櫓の石材が崩落前にあった位置を照合させることだ。
その結果、目視による照合と比較して、約9割の正解数を記録したという。また、目視では解らなかった石材の位置も発見することができたそうだ。
有名な「武者返し」など、実際の城作りに携わったかつての石垣職人でも難しい技術が取り入れられている熊本城。同システムを活用することで、石垣の位置特定作業がさらに効率的に行えることだろう。