NEWS | アート / 展覧会
2019.05.27 14:12
実験的な作品に取り組むデザインスタジオ Studio INI。このスタジオを率いるNassia Inglessisのコンセプトの根本にあるのは、私たちの都市生活が決められた形や動かせない壁など変化のない境界に囲まれていることだそうだ。
私たちはこうしたあらかじめ決定された計画や強制されたデザインに順応することを求められていて、その境界の内側に住むことを余儀なくされているのだ。その中で、私たちの個性も失われていくのだというのが彼女の主張だ。
そんな彼女の新作インスピレーション「Urban Imprint」が、ニューヨーク・ブルックリンにあるクリエイティブスペース「A/D/O」で公開されている。私たちの身体と都市空間の関係性を再考するものである。
つまり、私たちの存在と動きによって、自然空間の形や境界を再形成していく試みで、足を踏み出すごとに違った痕跡が残り、自然における私たちの存在感も増していくのだ。自然のなかで、私たちはそこにある生き物と対話しながら、空間を再構築していくことになる。
こうしてできあがった作品は、未来の自分が形を変えることができる「空白のキャンバス」という環境。このキャンバスは、都市環境のなかでもっとも動きのない素材であるコンクリートとガラスで作られている。そして、人間の存在によって動きをもち、動作や行動に反応するようにデザインされている。